図書案内:大気・水圏の地球化学

初学者向けの地球科学の体系だった教科書としてお勧めである。対流圏・成層圏・中間圏・熱圏といった大気領域の組成や物質循環について、気候変動に関する政府間パネルの第3次報告といった地球温暖化の最近の気候現象の状況、海水の元素組成、人間活動による影響や汚染の問題、海洋底の熱水・湧水の循環システムに伴う地殻内での生物圏の発見など、地球化学の全般について網羅的に書かれている。過去の研究成果と現在のテクノロジーによる調査結果による知見の広がりが面白く感じられた。