小説:「対岸の家事」

専業主婦が担っているのは、間違いなく労働と思った。

普段の生活を振り返ったり、昔の自分の発想や考え方などを思い出したりした。

 

励まされる言葉と生き抜くヒントに溢れていると思う。

・作ったことのない料理は食卓を賑やかにしてくれる。疲れているときほど、気持ちが上向くことをしたほうがいい。
・苦手な人ほど、仲良くする努力をしたほうがいいものよ。
・料理初心者ほど、ハイレベルの技術に挑戦するのはなぜなのだろう。

・ルール設定がめちゃくちゃだったり、厳しすぎたりして、誰もクリアできないゲームを無理ゲーという。プレイする側がバグを見つけて、メーカーに報告することで、業界を育てていく。

・「大丈夫、大丈夫」と、背中を撫でてくれた。

・時流に乗るよりも、自分のペースでやったほうが、不思議と仕事は捗る。急いで走るよりも、ゆっくりと歩いたほうが、周りの気持ちにも気づける。
・大人になるとは、自分で責任を負うことなのではないか。誰かに責任をとらせようとする前に、なんとかしなきゃ、と体が動くことなのではないか。

 

壁に映るゆらゆらときらめく光が、アジサイの花ように、感じられた。

日陰の花、アジサイが、日の当たるところでも、しっかり根を張る。

私にもこのような逞しさが欲しい。