読書案内:言葉のトリセツ

言葉の語感について、音声を出した後、自分や相手に及ぼす効果について考察している。

言葉の語感以外にも、感性の領域には、理屈や数値で表すことができないもの、イメージや感覚などあるので、語感がすべてではない。

・「でも」「だって」「どうせ」のD音を自分のために使う場合、自分のみならず、周囲の人の意欲にもブレーキをかける。「大丈夫」「でもね」相手のために使うD音もあり、相手を落ち着かせる力を持つ。

・「やれやれ」「やっと」「ようやく」「ゆっくり」ヤ行の音は優しいだけなく、深い思いを伝える音韻である。

・訓読みは母音が多用され、情を伝えやすい言葉となり、漢語は子音が多く理、私情を挟まない言葉となる。相槌にアイウエオを入れると、親密感が増す。

・語感は、発音体感がもたらす脳のイメージであり、言葉の感性の核となるものだ。その体感は、最初に母の胎内で、母の発音体感に同調するようにして獲得するのである。