読書案内:「バナの戦争」

この本は、シリア内線で起こっていることを、バナという7歳の少女がツィートで、戦争の状況を伝えた内容を日記風に書きまとめたものです。
ちょうど現在、ウクライナにロシア軍が侵攻しているその状況と重なる部分があって、読んでいて、戦争というものを肌で感じることができた。
シリアでは、学校や病院などの公共施設が標的にされて爆撃されていたそうだ。今、ウクライナで起きていることととても似ており、シリアではあまり伝わらなかった情報が、なぜウクライナでの戦争はこうもニュースで伝えられるのか、など情報を受ける側としても、安易に真実と受け取ってよいのか、不安になる。
地下室に人々が隠れ、私なんかだと、人って簡単に死んでしまうのではないかと思ったけど、一度の爆弾で何千人と亡くなるものではないということも知った。戦争って、自分が思っているものとは違う。

この本から、絶望のなかでも希望をみつけることを学ぶことができたかな。

 

・あなたが私の手をつかんで、わくわくするものについて話してくれる日が来ること(を楽しみにして)...あなたを産んだ日のこと思い出。
・あの頃(戦争前の)幸せな日々の記憶が、あなたの中に失われずにあって、あなたを支え、希望と勇気の源になりますように。
・愛情をこめて買われ、集められた物。そうした物は家庭をつくる。家庭こそ、あなたが安心感を覚え、愛されていると感じるところ。ここが定説なの。とても大切だわ、何よりも。
・恐怖のさなかにあっても、この世界にはまだ美しいものがあるとあなたに知ってもらえるように。この世界で美しいものをつくり出せるのだとわかって欲しかったし、少なくとも家族の中には美しいものがあり、私たちがそういうもので自分を守れるのだと(知って欲しかった)。
・教育は大切なものよ、いろいろ学んで、大人になったときに人を助けられるように、お医者さんや弁護士になって、シリアを強い国にできる。戦争を止める方法を学べるかもしれない。
・私たちにこんなことが起こっているって、みんな知っているの?だれも気にしないの?どうしてわたしたちに爆弾が落とされるの?どうして爆撃が終わらないの?どうしてわたしたちには平和がないの?