読書案内:教え子が成長するリーダーは何をしているのか

夏まゆみは、アイドルグループの振付家
この人を知らずに、この本を手に取った。

ビジネス書として、職場のリーダーが部下を成長させるという内容を読みたいと思ったが、
その意味ではちょっと違ったかもしれない。私は、部下を教え子と扱う発想はなく、
部下は同僚って感じだ。

ただ、人を育てるというポジションにいるのだという点で、自分には足りない視点だった
ので、とても勉強になった。
この本のなかでは、人を育てるための「言葉の使い方」(ほめる/叱る)について
書かれている。

 

「相手が自分の言うことを聞いてくれない」と嘆くのは、あなたのリーダーとしての
資質がないからではありませんし、あなたが嫌われているからでもありません。
ただ、「育て方」のノウハウ・どこまでをよしとするかを知らないからです。

自分が言いたい言葉ではなく、「成長言葉」で話しかけましょう。
①自信を与える言葉、②道を示す言葉

成長のお手伝いをするスタンス。
隠れた能力や長所、短所を気付かせる。

・信頼関係を築く
部下と仲良くなることではなく、よりよい関係をつくること
距離を保つことが大切。
自分の役割に徹する。
見限るのではなく、早い段階で脱落者を出さないことが務め。


〇褒める
上司が部下を褒めるのは、部下の成長を促すため。
ご機嫌取りではない。
「現状を肯定する褒め」も、上司の仕事

・自信を与えて成長を促す。
 ・失敗したとき
 ・落ち込んでいるとき
・目指すべき道を示すため
 ・素晴らしい姿勢の覚悟と責任感を褒めるとき
・できないことを否定するのではなく、できていることを見つけてほめる。

例:気付いてすごい、えらいぞ!という感じの褒め
  気づきや反省を促す。

〇叱る
気づきを与えて成長を加速させること
相手の成長のためではなく、自分のイライラとした感情を
押し付けて発散させている行為はよくない(怒る)。
教え子を叱らないのは、やさしさではなく、自己保身。
「行動を正す」のと「成長させる」のではかける言葉は変わる。

叱る場面
・やる気が見られないとき
・低いレベルで満足しているとき
・大きくステップアップさせたいとき

「ほめる」と「叱る」は、どちらも人前でやるのがベスト。
叱る相手を名指ししない(できない子をさらし者にしない)。

読書案内:マキアウェッリ語録

新聞の中に、菅義偉(よしひで)元総理大臣が愛読書として挙げていただので、読んでみようと思った。
内容が、現代のビジネス書・指南書のような内容なので、びっくりした。理想の姿が書かれているもの
かと思いきや、私はこう信じるという書きぶり。
いつの時代、場所においても、人間って変わらないのだと知る。


君主にとっての最大の悪徳は、憎しみを買うことと軽蔑されることである。
人間というものは、自分自身の持ち物と名誉さえ奪われなければ、意外と不満なく生きてきた。
軽蔑は、君主の気が変わりやすく、軽薄で、女性的で、小心者で、決断力に欠ける場合に、
国民の心の中に芽生えてくる。自分の行うことが、偉大であり勇敢であり、真剣で確固とした意志
にもとづいてると見えるよう、努めねばいけない(先に記したような印象を与えないように注意
すべきである)。

支配者と被支配者が同列にある場合は、寛大な方針を貫き、支配する者と支配される者に分かれ
ている場合は、被支配者につけあがるすきを与えないために、厳格な態度で臨むのが有効だ。
憎しみだけは買わないよう注意をすべきである。

人々の心に自由に生きることへの強い愛着が生まれてくるのか、自由を持つ国だけが、領土を
拡張し経済的にも豊かになったから。個人の利益よりも、共同体の利益を優先するようになったから。

愛されるよりも怖がられる方が、君主にとって安全な選択であると言いたい。なぜなら、人間には、
怖れている者よりも愛している者のほうを、容赦なく傷つけるという性向があるから。恩義の絆で
結ばれている愛情などは、利害がからむとなれば平然と断ち切ってしまうものである。一方、恐怖で
つながれている場合は、復讐が恐ろしく、容易には断ち切れないものなのだ。

弱体な国家は、常に優柔不断である。
そして、決断に手間取ることは、これまた常に有害である。
決断力に欠ける人々が、いかにまじめに協議しようとも、そこから出てくる結論は、常にあいまいで、
それゆえ常に役に立たないものである。何かの圧力に屈したあげく、やむをえず為されたものになる。

戦いをするだけで国力の消耗を招くような国は、たとえ戦では勝ちを収めても、その結果として領土
拡張からは、なんの利益も得られない。

困難な時代には、真の力量をそなえた人物が活躍するが、太平の世の中では、財の豊かな者や門閥
支えられた者が、我が世の春を謳歌することになる。

運は、制度を変える勇気を持たない者には、その裁定を変えようとはしないし、天も、自らを破滅
したいと思う者は、助けようとはしないし、助けられるものでものないのである。
衆に優れた人物は、運に恵まれようと見離されようと、常に態度を変えないものである。逆境にも
動じない人間になる。
「ローマ人は、負けたときもくじけず、勝ったときもおごらない」
弱い人間にとっての運命の変転は、表にあらわれてしまう。好転に恵まれたときは有頂天になり、
運に陰りが差しはじめるや、途端に沈み込んでしまい、卑屈な人間に変り果てる。

何かを為したいと思う者は、まず何よりも先に、準備に専念することが必要だ。
好機というものは、すぐさま捕まえないと、逃げ去ってしまうものである。

自らの評判をあげることである。
このことは、全力につくすに値するし、またこれのみはあなた自身の意志いかんなのだから、誰でも
やろうと思えばやれないことではない。
評判とは、立派な人物だという評価を獲得することである。開かれた精神の持ち主で、広く人脈を
つくること。

 

読書案内:「バナの戦争」

この本は、シリア内線で起こっていることを、バナという7歳の少女がツィートで、戦争の状況を伝えた内容を日記風に書きまとめたものです。
ちょうど現在、ウクライナにロシア軍が侵攻しているその状況と重なる部分があって、読んでいて、戦争というものを肌で感じることができた。
シリアでは、学校や病院などの公共施設が標的にされて爆撃されていたそうだ。今、ウクライナで起きていることととても似ており、シリアではあまり伝わらなかった情報が、なぜウクライナでの戦争はこうもニュースで伝えられるのか、など情報を受ける側としても、安易に真実と受け取ってよいのか、不安になる。
地下室に人々が隠れ、私なんかだと、人って簡単に死んでしまうのではないかと思ったけど、一度の爆弾で何千人と亡くなるものではないということも知った。戦争って、自分が思っているものとは違う。

この本から、絶望のなかでも希望をみつけることを学ぶことができたかな。

 

・あなたが私の手をつかんで、わくわくするものについて話してくれる日が来ること(を楽しみにして)...あなたを産んだ日のこと思い出。
・あの頃(戦争前の)幸せな日々の記憶が、あなたの中に失われずにあって、あなたを支え、希望と勇気の源になりますように。
・愛情をこめて買われ、集められた物。そうした物は家庭をつくる。家庭こそ、あなたが安心感を覚え、愛されていると感じるところ。ここが定説なの。とても大切だわ、何よりも。
・恐怖のさなかにあっても、この世界にはまだ美しいものがあるとあなたに知ってもらえるように。この世界で美しいものをつくり出せるのだとわかって欲しかったし、少なくとも家族の中には美しいものがあり、私たちがそういうもので自分を守れるのだと(知って欲しかった)。
・教育は大切なものよ、いろいろ学んで、大人になったときに人を助けられるように、お医者さんや弁護士になって、シリアを強い国にできる。戦争を止める方法を学べるかもしれない。
・私たちにこんなことが起こっているって、みんな知っているの?だれも気にしないの?どうしてわたしたちに爆弾が落とされるの?どうして爆撃が終わらないの?どうしてわたしたちには平和がないの?

小説「自転しながら公転する」

 何でもない日常生活が、淡々と続いていくような小説であった。
 全体的にみると低いテンションで、明日どうなるかわからないよっていう感じ、私ら完璧でないし、むしろ底辺に近いかも(中卒だし、アルバイトだし)、自分の中で我慢してしまう感じで、妥協と、惰性で生きている感じがした。
 ところどころに、仕事やセクハラのトラブルがあり、友人との本気のやり取りや貫一に強く主張する場面やその決意に至る内省が読んでいてとても読みごたえがあった。

 映画「いと」を見ているような気分になった。

 

・服には、その服を着る必然性が要る。もし、素敵な服が好きでそれが着たいのならば、そういう服を着る必要のある生活をするしかない。
・季節ごとに新しい服を手に入れる経済力、それが入るクローゼット、容量を超えないように管理する能力、時代とずれないように服を入れ替える手間を楽しめる力、疲れているときも時間がないときも、人からどう見えたいか、人にどう見せたいか、強く迷いのない自己プロデュース能力が要る。
・「私、さっき、絵里のことがすっごく羨ましいって思った。私もこういう部屋でこういう生活がしたいって。でもこれは絵里が自分の望みを明確にして努力して手に入れたもので、棚ぼたじゃないんだよね。... 私は何もしないで、いいな~って思っているだけで、本気でそうなりたいってわけじゃないんだと思う」
・「都さんの迷いの根本は、自活できる経済力がないことなんじゃないですか。... その不安を自力で解消できないのであれば、相手を取り換えるべきだと私も思います」
・「恋愛なんて楽なわけないですよ。人間同士の感情のぶつけ合いですからね」
・「今思うと、とにかく私のリーダー的な素質とか覚悟がゼロだったんだと思います。下にいて、上の人にあれこれ文句を言うのは得意でも、自分がいざ人の上に立ってみると、スタッフから言われることが全然さばけなくて。会社の意向と売り場をつなぐのがへたくそで、ああしてこうしてって人に指示するのも苦手で、全部自分で抱え込んで結局パンクしました。シフトを組むのも下手だったし、スタッフ同士の人間関係がこじれているのに話を聞いてあげなかったとか、いろいろですね」
 これほど平静な気分であの時のことを職場の先輩に話せる日がくるとは思わなかった。
・「男はだいたい君の顔より胸を見てる。ね、自覚あるんじゃない?まさかそれをモテてるとか思ってる?」
・「言ったところでどうなった?あんたにできることあった?」「逃げないでよっ」「それが逃げてるって言っての」

小説:「対岸の家事」

専業主婦が担っているのは、間違いなく労働と思った。

普段の生活を振り返ったり、昔の自分の発想や考え方などを思い出したりした。

 

励まされる言葉と生き抜くヒントに溢れていると思う。

・作ったことのない料理は食卓を賑やかにしてくれる。疲れているときほど、気持ちが上向くことをしたほうがいい。
・苦手な人ほど、仲良くする努力をしたほうがいいものよ。
・料理初心者ほど、ハイレベルの技術に挑戦するのはなぜなのだろう。

・ルール設定がめちゃくちゃだったり、厳しすぎたりして、誰もクリアできないゲームを無理ゲーという。プレイする側がバグを見つけて、メーカーに報告することで、業界を育てていく。

・「大丈夫、大丈夫」と、背中を撫でてくれた。

・時流に乗るよりも、自分のペースでやったほうが、不思議と仕事は捗る。急いで走るよりも、ゆっくりと歩いたほうが、周りの気持ちにも気づける。
・大人になるとは、自分で責任を負うことなのではないか。誰かに責任をとらせようとする前に、なんとかしなきゃ、と体が動くことなのではないか。

 

壁に映るゆらゆらときらめく光が、アジサイの花ように、感じられた。

日陰の花、アジサイが、日の当たるところでも、しっかり根を張る。

私にもこのような逞しさが欲しい。

読書案内:感情はコントロールしなくていい

幾つかの気づきがありました。

・ネガティブな感情に気付いたら、自分の気持ちや欲求や思いを無視していると考え、一度立ち止まり、自分の心に沿った選択や行動ができるように、考えよう。
・自分の心に沿った行動ができたのなら、「自分のために行動できてよかった」と、自分のその行動を心から評価してあげよう。
・自分がどんな言葉を使っているのか意識しよう。
・ゆっくりとポジティブな実感を味わいながら生きている人は、人生が順調に発展していく。

 

(ネガティブについて)
・根底でどんな意識を形成しているかは、思考よりも自分のこれまでの体験からできており、似たような体験がさらにネガティブを強化する。
・無自覚に思考しているが、自分がネガティブなことを考えていれば、ネガティブな気分や感情が生まれ、気づいていなくても、ネガティブを実感、ネガティブな選択をしてしまう。
・自分の根底にあるネガティブな意識は、意図せずに、思考も行動もネガティブなものを相手に伝えてしまうことがある。

 

(ネガティブへの対処)
ネガティブな気分や感情を感じたときには、それをやり過ごさないで、その感情の出所を洗い出し、具体的に解決していく必要がある。
・具体的な状況”いま”の場面をつかむ。例えば、「自分の不安などの感情を基準にする」と、自分の不安材料を、具体的に消すための行動ができます。
・一つの行動において、100%がネガティブということはない。いい面が見られなくなっていることがある。よい側面にも目を向けよう。
・精神的に疲れることは、やめよう。自分が負担に感じることは、他者にとらわれた基準で考えることはやめよう。
・不安を感じながらも、自身は全く動かないで、周囲が解決してくれるのを待つというような、到底不可能な解決方法を望むことはやめよう。
・失敗する可能性もあるし成功する可能性もある。

 

(ポジティブを増やす)
・焦りや不安を始めとするネガティブな実感よりも、「ポジティブな実感」を増やしていく、これだけで厳しい状況を好転させたり、人生をいい方向への発展させたりすることができるかもしれない。
・「思考する」と「感じる」は両立しません。一歩先を見る癖をやめ、「実感」を大切にしましょう。


人に合わせる必要はないという趣旨は伝わってきたのだけど、本当にそれでよいのかと思った。
なんでこの仕事をしなくちゃいけないんだろうって思う感覚は、ネガティブな感覚だけど、どう対処すればよいのだろう。
心に沿った選択をすると、しなくていいやってなってしまうのだけど...。多分、意見を言うことが大切なのだろう。
人にこうして欲しいと思うとき、相手のネガティブに合わせる必要もあるかと思うのだけど、その際はどうすればよいのか。多分、意見を交わすことが大切なのだろう。
自分の実感だけでは世の中の問題は解決しないように思われた。(言いたいことを言う、言える状況を作り出す。)

読書案内:極アウトプット

 楽したいと思っている自分がいることを感じ、恥じる。
 「自信がないからやらない」ではなく、自信がないからこそ、積極的にコミュニケーションに取り組む必要がある。「やりたくないと思うから」と、何もしないで待っているだけでは、うまく行くことはない。
 アウトプットは、とても意識的な作業で、とっても攻めな内容であることを知った。

 

 話す、書く、行動するという項目で、行うべきコツが書かれている。

例えば、話すでは、
・「あらかじめ自分の言いたい内容を考えておく(メモにまとめる/原稿にまとめる)」
・ネガティブなことは避けて、ポジティブなことを話す
・失敗を経験に変えるために、フィードバック(振り返り)を行う。

書くでは、
・書き始める前に「誰かに作文の内容について話してみる」
・構成を決めてから書く

行動するでは、
・自分を中心に輪を作る
・自分の長所をアピールする
・人に喜ばれることをする

 

 まずは、自己肯定感を高める、3行ポジティブ日記をつけてみようと思った。
 考えているうちに、何のためにポジティブに考える必要があるのか分からない感じがした。当たり障りのないように生きてきたつけかしらん。自分の個性を消すように生きていくことは、とてもしんどいことだと書いてあるけど、ただ、それを求められてきた気もする。そう思わされているだけなのかな...。今の価値観から一歩踏み出す価値観を持とう。